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2001年を迎えて/2000年を振り返って
by 金子 格
   
          
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このページは年賀状代わりの近況報告ページです。

  1. 身の回りのできごと2000
    家庭
    昨年は家を買い換えました。結婚10周年記念の前祝い、というわけではなくて税金対策です。余禄として場所も近く広さもほんの少し広くなり、夫婦共々気にいっています。
    家族両親共健康。父も(金子家、奥田家とも)ますますパソコンに熱中の様子。昨年も2年続けて年末旅行はなしでしたが、今年はそろそろマイレージもたまったのでまた海外旅行につれていきたいな。
    学業
    早稲田大学の社会人博士課程の3年目になりました。音響圧縮については昨年触れたICASSP, ICME, 情処の各査読論文がリジェクトされ、書き直して出した情処の論文もリジェクトされてしまいました。コンテンツ配信の関連で出した論文が採用されて、今年の成果は論文1本とあいなり、白井先生からは、「もう一年かな」とのこと。
    標準化
    標準化関係では、昨年も皆様には大変お世話になりました。仕事に関連する部分は強化しましたが、関係なさそうな部分はばっさり削らざるを得ませんでした。MPEG-21関係では情報技術標準化フォーラムを主催した他、情報技術nerws letters、月刊アスキーに記事を書きました。IPMP関係では研究会等でも3回ほど発表いたしました。
    勤め先
    勤め先のアスキーは今のところ健在です。かねてから事業部門と投資部門の会計が混同されているのが最も大きな問題ではないかと思っていましたが、投資先もだいぶ整理されて事業パフォーマンスが明確に評価できるようになってきました。一歩進めて部門ごとにEVA等の向上に専念できれば、働くものとしてはとってもやりやすいのですが。
    その他  
    昨年はインターネットで相当株の売買をやってました。いい暇つぶしにはなりましたが、さすがに1年たつと飽きてきました。売買手数料もばか高いので、今後はバフェット氏を見習って長期保有路線でいこうと思います。まぁ、今はたいていのものは安いので、買うのは楽しいですよね。
  2. 世相 2000
    加藤紘一氏
    やっぱ昨年一番盛り下がった話題といえばこれでしょう。この後日本売り基調となったのは加藤さんのおかげ?おかげで米国債権は急上昇中。確か日本は300兆くらい米国債権を持っているから軽く30兆円くらい儲かったはずだよね。これってもしかして財政改革のウルトラC?
    不況?
    「不況といいながら日本の平均賃金も貯蓄も相当いいらしいのは変」と書いたのは昨年ですが、日本人の一人あたり消費は依然トップクラスとの統計もあるそうで。それで内需拡大つーたってそりゃ無理だよ。お金を回すには投資先をつくるしかなさそうに思います。
    インターネットバブル
    これはみんな予想していたことが期待通りのシナリオで起こったように思います。でも現在のITの使い方は本当にまだ原始的。IT経済はまだ20年は拡大するのでは。この分野は玉石混交ですから成功も失敗もまだまだありそうですが、産業自体はまだまだずっと拡大するように思います。
    円安
    これも予想通りではなかったでしょうか。だいたい今みたいに問題が山積みの国の通貨が買われるの、かなり市場バランス的、あるいは投機的理由と思われるのに、一般預金者が円ベースで債務や貯蓄を持つのはあまり健全ではないように思います。円ベースの債務、貯蓄とも極力減らしておくのが賢明ではないかと思います。
  3. 今年のお勧め 2001
    世相を読み解きたいあなたに: JMM。
    村上龍の主催するメールマガジンJapan Mail Madia。経済、教育等をテーマに読みでがある内容です。
    経営に悩むあなたに: ドラッガーと松下幸之助
    会社の調子が悪いとお悩みの経営幹部は、この2人の経営論がお勧めだと思います。あやしげなまやかしに期待せず、会社の基本的価値を高める努力をいたしましょう。がんばって!
    デジタルマルチメディアメディアの研究開発に: アスキーメディア技術開発室第二技術部
    この分野で4人の人材がそろっており、現在外部の企業のMPEGやマルチメディア関連のリサーチ、試作のアウトソーシング、コンサルタント、講演、トレーニング等、なんでもご協力できます。秘密厳守。よろず相談可。特に、MPEG関係にはたいていご相談に乗れます。一部上場企業数社とお取引があり、大変ご満足いただいております。ご用の際はまずご連絡を。以上CMでした。
    ブロードバンドとモバイルに: MPEG-4フル規格
    MPEG-4フル規格にちょっと注目しましょう。今年はベンチャー数社がMPEG-4のフル規格のデコーダをリリースするはず。ブロードバンドとモバイルにはMPEG-4、かもしれない。
  4. 21世紀にはこれが見たい!
    SETIの結論(2020年ごろには見たい)
    SETIのフランシス・ドレイク博士が、NHK「未来の教室」に出てました。SETIを含む電波による宇宙探査はハイパワーコンピューティングの恩恵を受け、今世紀豊穣なフロンティアとなるように思います。
    銀河系のごく一部、太陽系のごく周辺から人工的な電波を受信できるか。遠方の電波はきわめて微弱ですから、20世紀中には根拠のない推測は別として科学的な結論を出す探査は不可能でした。21世紀には進歩した観測機を使って人類史上初めてこの問いに結論が出せるはずです。結果にかかわらずちょっと興味深いではありませんか。
    中国の発展(2020年ごろ)
    中国はいつのまにかデジタルな国になっていました。デジタルビデオ、携帯電話、いずれも消費量世界一。今年はDVDの7割を生産する見込みだそうです。昨年生まれて初めて北京も見てきましたが、観光客を地元人とまちがえて戸売マンションのビラをくれたり、物乞いや露天商もちゃんと営業していたりと、ごく健全な資本主義的共産主義が発展していました。バーナードショーの轍を踏みたくないので、私が見られた狭い範囲で中国全体を判断するつもりはありませんが、21世紀に大きくはばたく勢いを十分に感じました。
    人間型ロボットの実用化(2015年ごろ?)
    20世紀の末に、多くの日本企業がロボット技術の実力を如実に示してくれました。人と会話ができ、人と同じ生活空間で利用できるロボットの利便性は明らかですが、要素技術はそろっているので企業や政府がその気になれば、実現は意外と早いのでは。ロボットに仕事を奪われないように、EQや創造性、調整能力など、人間はますます非ロボット的能力の研鑚に努めなくてはならないようです。
    戦争の終焉(2030年ごろ)
    人間の本質を見抜くのはキリストや釈迦のような天才のみがなせる技だと思いますが、単純な社会学的問題であれば凡人でもコンピュータシミュレーションや科学の助けを借りて理解を深められます。
    すべての戦争の回避は困難だとしても、前世紀には全く愚かで滑稽な戦争が多くなかったでしょうか。20世紀初頭には同じ帝国に続する軍同士が同盟先で交戦するはめになった珍事もあったそうですが、自称「民族政府」や「主義のための政府」を名乗る戦争の多くが、後でよくみると実体は「組織の発狂」であったように思えます。20世紀の戦争は「内なる敵との戦い」でした。こういう現象を解明し撲滅できれば安全保障は大きく進むように思います。